次の講演は、
バンガード日本法人代表の加藤さんのプレゼンです。
加藤さんの参加者への問いかけで分かったのですが
参加者が300人くらいの方(投資経験がある方が半分以上)で
バンガードを知っている人はほとんどいませんでした。
それは別に驚くことではなかったのですが、なんと

インデックスファンドのことを知らない人が多数いた

ということです。

加藤さんの論理展開はこんな感じです。

1)今の世の中慌しくスローライフが志向されている。
2)しかし、投資に関してスローライフが可能か。
  資産形成については自己責任の部分が増えてきている。
  そうした環境で投資をしなきゃということで銘柄研究を始める。
  結局上手くいかないことが多い。
3)個別銘柄=リスクが大きい。
4)分散投資すればリスクが減る。→ インデックス投資に優位性。
5)分散投資は、アセットクラス、グローバル、時間を
  分散させるとさらに良い。
6)長い期間の投資を考えた場合、コストを如何に減らせるかが重要。

「失敗をどう避けるか」という論点で
負わなければいけないリスクとして
1)資産種目選択で間違える (アセットクラス)
2)市場選択で間違える 
3)銘柄選択で間違える
4)タイミングで間違える
5)投信選択で間違える
という5つ(=特定の選択に対する結果のリスク)を挙げられていました。

この結果、低コストのインデックス投信を定期的に購入することが
一つの選択肢、また最初の問いかけであるスローライフ実現にも
つながるのでは、というのが結論でした。

会場からの質問として
日本で買えるバンガードのファンドのラインナップの拡充、
直販体制の開始(現在はマネックス証券で販売されています)の
計画について問い合わせがありましたが、具体的な答えは
ありませんでした。
一方で、バンガードの商品を活用した日本の別の投信の紹介がありました。
しかし、これらの商品の多くは低コストのバンガード商品に
日本の運用会社の手数料を上乗せした商品でしょう。
低コストが大事、という加藤さんのプレゼンと矛盾しているように思います。

加藤さんからも苦言めいた発言がありましたが、
ファンドを販売する金融機関が低コストのインデックスファンドは
なかなか顧客に紹介しようとしないことが問題ではないか
との指摘がありました。
そういう面は確かにあると思いますが、

バンガードが日本で伝道師の役割をもう少し果たしてくれれば

状況は変化するようにも思うのですが。

澤上社長は今日、大阪で同じセミナーで講演されるようですが
バンガードの講演は無いようです。

バンガードが熱心に低コストのインデックス投信を広めると
困る人が多くいるのは間違いありませんが、

個人投資家は決して困りません!